男性にこそ知ってほしい妊娠の知識【薬剤師監修】
妊娠についてどのくらい知ってますか?
「妊娠するのは女性だから」と
妊娠に関する知識を持っていない男性は多いと思います。
体の変化は見てわかるから、”大変そうだな、荷物持ってあげよう”と誰もが思うと思いますが、それ以上に気を使わなければいけないのは体の”内側”です。
健康な子どもを生むためだけでなく、女性の身体的・精神的変化を理解するためにも、妊娠について知る事は大切です。
男性が妊娠について正しい知識を付けることで女性の変化に気づき、サポートできることが増えるはずです。
目次
男性も妊娠について知ろう
妊娠は女性のものだけではありません。
男性には妊婦をサポートする義務があります。
しかし、知識がなければ十分なサポートはできないので、勉強することから始めてください。
妊娠前後のホルモンバランス
女性のホルモンバランスは男性よりも複雑です。
エストロゲン、プロゲステロン、オキシトシンなどの女性ホルモンは、常に変化しています。
それらは生理、妊娠に関わるだけでなく、子宮内膜症などの病気や精神状態に大きく関わります。
妊娠をしてから出産するまでの間、性ホルモンの分泌は高まり続けます。
ところが、出産を終えた時点から性ホルモンの分泌が一気に無くなります。
それによって、うつ症状が現れるので、薬物治療を必要とする場合もあります。
妊娠とワクチン接種
あまり知られてないかもしれませんが、妊娠を希望する場合、ワクチン接種は重要です。
女性だけでなく、男性もワクチン接種が推奨されます。
妊娠前にワクチン摂取が必要な理由
母子感染を予防するために、風疹の抗体検査やインフルエンザワクチンの接種が推奨されています。(参照:妊娠時に気をつけたい感染症「風疹(ふうしん)」)
妊娠早期に母体が風疹にかかった場合、高率で子どもに先天性風疹症候群を引き起こします。
先天性心疾患、難聴、白内障などの症状を発症してしまいます。
そのため、妊娠を計画している時点で風疹の抗体を持っているか検査する事が推奨されています。
これは女性だけの話ではありません。
男性もワクチン接種をしよう
男性が風疹にかかってしまった場合、女性と胎児も危険に晒すことになります。
なぜなら、風疹は空気感染をするため、パートナーの女性に感染する可能性が高いからです。
その結果、前述した先天性風疹症候群など重大な問題につながってしまいます。
母子共に健康に妊娠・出産をするためには、男性も知識を付ける必要がある事がわかっていただけましたか?
私自身も医療の世界にいなければ知る事が出来ませんでしたが、非常に大切な事だと感じたので、共有させてもらいました。
また、暗い話ではありますが、正常な妊娠でも10%ほど流産・死産のリスクがあります。
自然淘汰というやつですね。
少しでもリスクを減らせるように、この情報を生かしていただければ幸いです。
あとがき
日本で最も周産期、小児の医療に力を入れている医療機関に「国立生育医療研究センター」があります。
妊娠中の事やお子さんの事で相談がある方は、こちらに相談することをお勧めします。