妊娠初期は薬に敏感な時期です【薬剤師監修】
妊娠の初期(妊娠4~7週)は絶対過敏期呼ばれます。
胎児の臓器を作っている最中なので、薬に対して敏感になり、催奇形性などのリスクが最も高くなる時期です。
妊娠中や小児に使う薬に過敏な人は多いと思いますが、過敏になりすぎてはいけません。
薬に対して過敏になりすぎたために「本当は使うべき薬が処方されない」「自己判断で服用をやめてしまう」「妊娠自体を諦めてしまう」といった事が起きてしまいます。
一方で、高齢者の治療は抗ガン剤治療や命をつなぎとめるための処置に、多額の医療費を消費しています。
日本では高齢者の医療はトップレベルですが、周産期・小児の医療は海外と比較すると遅れているそうです。
私は一人の高齢者の治療に数千万の医療費を使い寿命の糸を繋ぎとめることよりも、将来のある子供や仕事や育児で精一杯な家庭の力になりたいと思っています。
健康な子供を産むために、自分自身の体のために正しい知識を身につけましょう!
また、女性のみにならず男性にも情報を共有していただきたいです。
目次
妊娠中:睡眠薬の服用
一部の睡眠薬(睡眠薬に限りませんが)では添付文書上で、妊婦への使用は「禁忌」とされています。
それでは、妊婦が睡眠薬を一回でも飲んでしまった場合、元気な子供は生まれてこないのでしょうか?
答えはNoです。
睡眠薬の妊婦への使用経験が少ないから使わない方がよい、という意味で禁忌とされているだけなのです。
妊娠中:喘息の薬の服用
薬に過敏になっていると、出来るだけ薬を飲まないようにしようって思いますよね?
喘息の場合はその考えが命取りになります。
喘息発作が起きた場合、母体だけでなく胎児も酸素が不足した状態に陥ります。
これは非常に危険な状態で、胎児の命にも関わります。
飲み薬も吸入薬も妊娠に影響はないので、問題ないです。
妊娠中に使いにくい薬
ここまでは、妊娠中でも飲むべき薬をあげましたが、当然飲まない方が良い薬もあります。
具体例を挙げて解説するので、是非参考にしてください!
妊娠中:主な禁忌薬リスト
一方で、妊娠中に飲んではいけない薬にはどんなものがあるでしょうか。
一部のものを表にまとめました。
「妊娠後期」は服用禁忌など、必ずしも妊娠中は絶対だめというわけではないので、必要であればDrか薬剤師に相談を。
- ワルファリン
- 経口糖尿病薬(ボグリボースを除く)
- 脂質異常症薬(フィブラート系、一部のスタチン系、プロブコール)
- 降圧薬(ACE阻害薬、ARB)
- ビタミンA製剤
- 抗てんかん薬(特にバルプロ酸)
- NSAIDs(ロキソニンなど)
妊娠中でも禁忌薬を服用する場合
上記の薬でも、リスクよりも利益が大きいと判断された場合は使用する事があります。
代替薬がない場合や副作用歴などを考慮した場合、Drの監視の元、使用するケースはあります。
また、妊娠中期や後期などの期間によって使用制限されれる薬も含まれています。
担当医師・薬剤師の指示に従いましょう。
あとがき
日本で最も周産期、小児の医療に力を入れている医療機関に「国立生育医療研究センター」があります。
妊娠中の事やお子さんの事で相談がある方は、こちらに相談することをお勧めします。