喘息と薬【薬剤師の質問にちゃんと答えよう】
薬局で喘息の有無を聞かれることは良くあると思います。
しかし、その質問の意味を知ってる人はどれくらいいるでしょうか?
今回はこの質問の重要性を解説していきます。
「喘息落ち着いてるからから言わなくていいか」といった思考がいかに危険かご理解頂けるかと思います。
目次
喘息と薬
あなた自身、もしくは家族や友人の中にも必ずと言っていいほど喘息持ちの方はいらっしゃると思います。
日本における喘息患者は、全国で100万人以上います。(参照:患者調査(厚生労働省))
喘息はありふれた病気であり治療法が確立されているので、しっかり治療をし喘息発作へ備えていれば怖い病気ではありません。
しかし、喘息患者に使えない薬(解熱鎮痛薬等)が多く存在します。
誤ってそれらの薬を飲んでしまった場合、喘息発作の引き金となる、気管が締まり呼吸ができなくなるなどの副作用が生じ、非常に危険な状態に陥ってしまいます。
また、話は変わりますが、妊婦が喘息の薬を飲まずに症状を我慢していると、胎児への酸素供給が不足し、胎児の命を危険にさらしてしまいます。
例に挙げた通り、喘息と薬の関係は命に関わる非常に重要な要素です。
アスピリン喘息
アスピリン喘息は文字通りアスピリンを服用したときに誘発される喘息です。
喘息発作が起き、呼吸困難になる可能性があります。
ロキソニンやイブを含めた多くの解熱鎮痛剤もアスピリン喘息を誘発する可能性があるので注意。
体質によって、「ロキソニンは大丈夫だけどイブはだめ」などの状況もあります。
喘息患者が飲んではいけない薬
喘息患者禁忌リスト
上記の通り、薬を飲むことによって喘息発作が生じると命に関わるので、喘息患者が飲んではいけない薬の代表的なものをまとめました。
喘息がない人にとってはなんともなくても、喘息患者にとっては毒と言っても過言ではありません。
苦しい思いや余計な治療をせずに済むように、大まかにでも把握しておくと良いと思います。
高血圧・狭心症・不整脈の薬
アルプレノロール、カルテオロール、プロプラノロール、アテノロール、カルベジロール等
解熱鎮痛薬【アスピリン喘息の場合】
アスピリン(バファリン)、ロキソプロフェン(ロキソニン)、ジクロフェナク(ボルタレン)、メフェナム酸(ポンタール)等
緑内障の薬
カルテオロール、ニプラジロール、レボブロール、チモロール、ピロカルピン等
蕁麻疹、アレルギー薬
シプロへプタジン(ペリアクチン)
喘息患者が飲んではいけない理由
発作を誘発する
喘息は気管支に炎症が起き、気管支が閉まってしまうことで呼吸困難に陥ります。
治療としては、①炎症をおさること、②気管支を広げることが重要です。
しかし、上記のリストに挙げた薬は気管支を閉める作用があります。
そのため、喘息発作が誘発される可能性があるのでとても危険です。
眼科や内科などを受診するときに、喘息は関係ないと思って適当に問診に答えていると危険です。
薬局でも必ず喘息について伝えてください。
まとめ
喘息と薬の関係が少しでも理解いただければ幸いです。
特に解熱鎮痛薬はドラッグストアやネットでも購入でき、日常的に使う方は多いと思います。
喘息持ちの子供が風邪を引いたときに使いたい、といった時は必ず薬剤師に相談してから購入してください。
また、家族内だけでなく、友達間で共有するなどの場合も注意してください。(緊急時を除いて薬の共有は避けてください)
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