頭痛薬で頭痛になる【知らないと危険】
頭痛を抑える薬を飲んでいるにも関わらず、頭痛が起こる、頭痛の回数が増えている。
このような人は薬物乱用頭痛かもしれません。
「乱用」とは麻薬・覚せい剤などのみに使われる言葉ではありません。
頭痛薬であっても必要以上に飲んでいれば、それは乱用となります。
簡単に手に入る市販薬で起こることが多いですが、処方薬でも起こることがあります。
頭痛への不安で脳が過敏になることや薬を繰り返し飲むことで薬が効きにくくなる、という悪循環に陥る。
男性よりも、生理痛や片頭痛で薬を飲むことが多い女性の方が起こりやすいようです。
頭痛を治したくて薬を飲んでいるのに、その薬が頭痛の原因になっていたら悲しいですよね。
薬物乱用頭痛の症状や特徴について触れていこうと思います。
目次
薬物乱用頭痛とは
薬物乱用頭痛の診断
以下の項目にひとつでも当てはまる人は薬物乱用頭痛の可能性があります。
日本における薬物乱用頭痛の割合は、頭痛外来に通っている患者の約7人に1人(14.6%)です。
薬物乱用頭痛を悪化させる要因としては飲酒や喫煙が挙げられるので、当てはまる方は禁酒・禁煙することで頭痛が改善する可能性も考えられます。
- 頭痛は一か月に15日以上起こる
- 一種類以上の治療薬を3か月以上定期的に(ひと月に10~15日以上)飲んでいる
- 頭痛は薬物乱用によって発現したか、著明に悪化している[/list]
(日本頭痛学会より)
乱用されやすい薬
市販でも買えるロキソニンやイブ、バファリン等を服用してる人が多いようです。URL:第一三共の解説
最近ではオンラインでも買えるようになったので、尚更乱用されやすいです。
頭痛にも種類があり、偏頭痛の場合は専用の薬を服用した方がいい場合もあります。
市販されていない成分なので受診が必要です。
薬物乱用頭痛の治療
上記の項目に当てはまる方や、薬を飲む回数が増えてきたなと感じる人は頭痛外来へ相談してください。
治療法は確立されていませんが、治療の原則は以下の3点と言われています。
- 原因薬物の服用中止
- 薬物中止後に起こる頭痛への対処
- 予防薬投与
薬の中止による離脱症状(激しい頭痛や吐き気)を伴うことがあるので、薬を止めることは簡単ではありません。
薬物中止による反跳性頭痛は薬の服用をやめてから48時間以内に出現し、7日以内に消失すると言われています。
また再発率が30~40%と高いので、根気強い治療が必要となります。
重症の場合は入院し、頭痛やその他の症状(吐き気など)の管理を行うこともあります。
薬物乱用頭痛にならないために、薬を飲む回数をひと月に10回以内に抑えることが重要だと言えます。
薬が効かなくなってきたけどドクターには言いにくい、という人は薬剤師に相談してください。
むやみに市販薬を購入するのではなく、身近な医療者に相談することが大切です。