健康食品の分類と成分【薬剤師監修】
近年では病気にならないように健康を維持する、予防するという考え方が重要視されてきている。
病気になってから治療をするのでは医療費が増大してしまう(国家予算を圧迫する)からです。
国家予算の観点からはそのように考えますが、 国民の観点からは病気で苦しまなくて済む上に、余計な治療費を払うリスクを減らすことができます。
そこで活躍するのが健康食品やサプリメントです。
少し意識してみると、健康食品のテレビCMや電車内広告が非常に増えていることに気づくと思います。それだけ国民の生活に浸透してきているのですね。
しかし、一言に健康食品と言ってもいくつかの種類に分類されます。
いちばん有名なものは特定保健用食品、いわゆるトクホですが、他にも健康食品と呼ばれるものが存在します。
それらの違いや、特徴についてまとめようと思います。
目次
健康食品の分類
健康食品のうち、国から”機能性”が認められているものを「保健機能食品」と言います。
いわゆる健康食品と保健機能食品は別物です。
ではそれらの違いである”機能性”とは、どんな機能のことを意味しているのでしょうか。
機能性は以下の3種類に分けられます。
- 第一次機能:栄養素としての機能。
- 第二次機能:嗜好特性に関わる機能(味・匂い・食感)。
- 第三次機能:生体調節機能(体の調子を整える)。
そして保健機能食品は何の機能補うかや、どれだけ健康をサポートできるかなどの条件によって以下の3種類に分けられます。
- 特定保健用食品:第三次機能を補う。いわゆるトクホ。
- 栄養機能食品:第一次機能を補う。
- 機能性表示食品:第三次機能を補う。
各品目の詳細は次の項目から記載します。
健康食品:トクホとは
健康増進法において、「食生活において特定の保険の目的で摂取するものに対し、その摂取により当該保険の目的が期待できる旨の表示をするもの」と定義されています。
つまり、健康の維持・増進が国によって認められている食品ということです。
基本的には個別許可型という形をとり、一商品ごとに承認されています。
この承認を得るには数年かかると言われており、これだけでもトクホは信頼できる食品であると思わざるを得ません。
カラダ健やか茶やキシリトールガムなどが例に挙げられます。
また、一部のトクホは規格基準型の形をとる場合もあります。
実績・化学的根拠が十分にある成分では、規格基準を設定し、これを満たすことでトクホとして認められることがあります。
トクホの成分として特に特徴のあるものとして、カルシウムと葉酸が挙げられます。
この二つのみ疾病リスク軽減効果が認められています。
- カルシウム:骨粗鬆症のリスク軽減
- 葉酸:子供が神経管閉鎖障害をもって生まれるリスクを軽減
健康食品:栄養機能食品とは
高齢化や食生活の乱れによって、通常の食生活を行うことが困難な場合に不足しがちな栄養素を補うことを目的とします。
規格基準型によって栄養機能食品として許可を受けます。(成分量が基準値内であればよい)
大きく分けると以下の三種類の栄養素に分類されます。
- ビタミン:A、D、E、Kなど
- ミネラル:カルシウム、鉄、銅など
- n-3系脂肪酸
健康食品:機能性表示食品とは
トクホが国によって認められていることに対して、機能性表示食品は事業者の責任において機能性を表示しています。
つまり、疾病リスク軽減効果は認められていないという意味です。
商品の例としては、ガセリやカラダカルピスなどが挙げられます。
健康食品:まとめ
ごちゃごちゃと難しい説明をしてしまったので、めちゃくちゃ簡単にまとめるとこうなります。(笑)
医薬品とは異なり、あくまでも食品なので、自分の食生活・体質に合わせて正しく摂取しましょう。
- トクホが最も信頼できる健康食品である。
- 栄養機能食品は生活に合わせて選択することで有効活用できる。
- 機能性表示食品はトクホ程ではないが、健康の維持・改善を期待できる。